許可業者が業種追加して複数の許可を取得した場合は、それぞれの業種につき許可年月日及び許可の有効期間が異なることになってしまいますが、そのように取り扱うと、許可行政庁の許可事務の円滑化を阻害し、建設業者にあっては許可の更新時期の失念等の原因ともなり、法の適正な運用を図る上で不都合を生ずることとなります。

そこで、以下のように取り扱うこととされています。

①一つの許可の更新を申請する際に、できるだけ有効期間の残っている他の建設業の許可についても同時に1件の許可の更新として申請させるものとし、すべてをあわせて1件の許可の更新として許可するものとする。

②一つの業者がすでに許可を受けたあと、さらに、他の建設業について追加して許可の申請をしようとする場合には、有効期間の残っている従来の建設業許可についても同時に許可の更新を申請することができるものとし、追加の許可と許可の更新(別個に二つ以上の許可を受けている場合はそのすべて)とあわせて1件として許可することができるものとする。

 

ただし、この場合、追加する許可申請について、ある程度の審査期間が必要となるため、それと同時に更新を申請することができる従来の建設業の許可の有効期間は、原則として6か月以上残っていることを必要とします。

上記①②に従った許可の「一本化」制度が認められており(事務ガイドライン【第3条関係】5)、許可申請の際には、積極的に利用すべきです。

ただし、この一本化制度は、「できるだけ」「することができる」という表現がなされていることからわかるように義務規定ではありません。例えば、何十年もある業種の許可を取得して営業してきた業者にとって許可年月日(5年ごとに年は変わるが月日は変わらない)は、その業者の歴史であり、記念日にも等しいと考えることも少なくはないです。このような業者が業種追加した際、この一本化制度を利用すると許可年月日が変わってしまい、大きな問題に発展することにもなりかねません。どの時期に業種追加をすべきか、一本化をするかしないか等、申請の際には業者の意向を踏まえた注意が必要です。

許可の条件

国土交通大臣又は都道府県知事は、建設業許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。(法3条の2第1項)この条件は、建設工事の適正な施工の確保及び発注者の保護を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。(法3条の2第2項)

許可要件のうち、請負契約に関する誠実性、財産的基礎等の要件を長期にわたって継続的に充実させるために当該条件を付すことができることを定めています。

許可の条件は、建設工事の適正な施工の確保及び発注者の保護を図ることを目的(法1条)として、許可の効果に制限を加えるものです。したがって、付することができる条件は、こうした目的に照らして一定の制約があり、どのような場合にどのような条件を付するかは、個別具体的な事例に即して判断することになります。

例えば、財産的基礎の要件において、自己資本の額、資本金の額、申請者の経営状況等を総合的に判断し、許可の有効期間中に当該財産的基礎要件を有しなくなり、適切な営業活動や建設工事の適正な施工が担保できなくなるおそれがあると認められるときに、「一定の財産的基礎の水準を継続的に維持すること」や「財産状況、事業実績等を定期的に許可行政庁へ報告すること」という条件を付されることがあります。

また、例えば、請負契約に関する誠実性として、許可申請時には満たしているものの更新申請前に役員等が暴力団の構成員であったり、暴力団の構成の実質的な支配下に営業を行った実質等があったり、適切な営業活動や建設工事の適正な施工が確保できなくなるおそれがあると認められる場合に、「許可を取得した後も暴力団の構成員を役員等としないこと」、「暴力団の構成員の実質的な支配のもとに営業を行わないこと」という条件を付されることがあります。

また、法令上の義務を履行することを許可の条件として付することも可能ではあるが、この場合には、当該条件違反があったとしても、法29条1項6号に該当する場合を除き、法29条2項の規定により許可を取り消す前に、当該義務の履行を確保するための指示をし、又は営業停止を命ずることになります。

なお、経営業務の管理責任者・営業所の専任技術者に掲げる基準については、これら要件を満たさなくなれば法29条1項1号に該当するものとして許可を取り消さなければならないので、当該基準を満たさなくなった場合に関する条件を付する余地はない(事務ガイドライン【第3条の2関係】。