そもそも建設工事とは何なのか、当たり前のことのようで実務上さまざまな場面で問題となるので今回あえて言及したいと思います。

建設業法は、戦後間もない昭和24年に制定され、戦後復興事業や占領軍関連工事の急増とそれに伴う弊害を回避する背景で成立しました。

そのような背景で成立したこと、時代とともに発注者の要請や技術力の改善等により工事の内容が変わっていること等もあり、建設工事に該当するかしないか、というのは意外と判断が難しい場合があります。

まず、建設業法上の記載を確認すると、「土木建築に関する工事で別表第1の上欄に掲げるものとあります。業種の列拳のみの説明です。もう少し具体的に分析するにあたっては、一般的に「建設工業」と絶対に言うことができる建物の工事をヒントにしてみたいと思います。

思うに、建物を建てるということの特徴は、さまざまな建材が合わさって、最終的に建物として土地に定着することにあります。建物は、日本の不動産制度により、特別に「建物」として独立の不動産といえますが、それ以外の定着物は土地の定着物となります。(石垣や木、移動困難な庭石など)したがって、手を加えることによって最終的に土地もしくは建物に定着したかどうかが建設工事の判断基準の一つになるかもしれません。

紹介した法令適用事前確認手続においてもハイブリッドケーソンが防波堤として定着するか製作するだけか、機械を建物内部に定着するかどうか、コンセントを差し込むだけか、太陽光パネルを屋根に定着させるか、運ぶだけかというものが判断基準の一つになっていることが垣間見えます。

そのほかにも例えば、剪定作業のみする場合は、定着するとはいえず一般的には工事とはいえません。また、いわゆる、「人工出し」(技術者を現場に派遣すること)そのものは工事に該当するとは言えません。(そもそも労働者派遣法等に抵触する可能性にも気をつけなければなりません。)保守点検作業などの維持管理も工事に該当するとはいえません。

建設業の現場では、工事といってもさまざまなことを行っています。

一つの契約書(注文書・請求書)を細かく見てみると、工事といえるもの(例えば一般的な造園)、委託サービスといえるもの(例えば剪定)、人工出しなどが混在しているかもしれません。

ただし、建設業法上は、これらを明確に区分して分析しなければなりません。

軽微な建設工事に該当するのか、許可が必要な建設工事に該当するのか(法令適用事前確認手続はこの部分の照会が多い)、兼業と扱うべきなのか(財務諸表で主に影響がある)、経営業務の管理責任者や専任技術者の経験性の裏付けとなるか、といった場合でそれぞれ大きな問題となります。

また、許可制度の後にあるといえる経営機構審査制度や入札制度でも、完成工事高に工事以外が入り込んでいないか、入札におけ「工事」以外(「物品」や「業務委託」と呼ばれる)と混同はないかといった場面で影響があります。

この業務は工事か、委託や派遣かどうかは定着したかどうかとともに発注者の意思を考慮して、恐れることなく判断する必要があります。