株式会社を設立するためには、「定款」(ていかん)の作成は避けては通れません。

「定款って何?」「定款って何を書けばいいの?」と迷ってしまう方のために、定款の基礎知識や作成方法について解説していきます。

定款とは?

定款とは、会社を運営していくうえで必要不可欠な基本的ルールを定めたもので、一言でいえば「会社の憲法」のようなものです。

会社を運営していくための重要な指針となるので、会社を設立する前に必ず作成しなければなりません。

定款の記載事項について

定款は、自ら定める会社の基本的ルールですが、その内容を自由に決められるわけではありません。

定款に記載する内容は、法律上の区分けでみると「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つになります。会社法によって一定の基準が設けられているため、これに準じていない定款は、認証を受けられませんのでご注意ください。

絶対的記載事項(事業の目的、商号等)

絶対的記載事項とは、定款に必ず記載しなければならない事項になります。この事項が欠けていたり、違法性があったりすると、定款全体の効力が無効となります。

絶対的記載事項は、以下の項目となります。

・目的

「営利事業であること」「違法な事業でないこと」「事業内容が何かが客観的で、正確に確定できる程度に明確・」具体的であること」が要求されます。

まずは、設立後すぐに開始する予定の事業を記載し、次に将来的に行う可能性のある事業を記載することが多いです。ただ必要以上に多く書きすぎると、何をやっている会社かわからなくなり、対外的なイメージが悪くなりますので、注意しましょう。

・商号

会社名を明記します。英文表示でローマ字を使用したい場合も、あらかじめ記載しておきましょう。会社設立後にローマ字の会社に変更することもできますが、商号変更登記の申請が必要となり、実費だけでも登録免許税として3万円が必要になります。

また、必ず「株式会社」もしくは「合名会社」「合資会社」「合同会社」という言葉を使用しなければなりません。

・本店の所在地

本店の所在地を記載します。同一区域内で移転する可能性を考慮し、東京都○○区といった最小行政区画までの記載とすることもできます。

・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

会社設立後の資本金に相当する額になります。約束した出資を履行しない者が出る場合などに備えて「○○万円以上」と最低額の記載にしておくこともできます。

・発起人の氏名または名称および住所

発起人に関する氏名や住所を記載します。

・発行可能株式総数

会社が発行することができる株式の総数は、公証人の認証を受ける時点で定款に記載されている必要はありませんが、会社の成立時までに、定款に定めることが必要となります。

相対的記載事項

相対的記載事項とは、定款に定めないと効力が生じない事項です。株主総会の決議事項や決議要件、取締役会の設置、監査役の設置、株券の発行、株式の譲渡制限など多数ありますが、会社の設立時に関するものとしては、例えば、以下のようなものがあります。

・現物出資

現物出資する財産と、その価額と出資した人の氏名を記載します。

・財産引受

発起人が会社のために、会社の成立を条件として特定の財産を譲りうける契約をいいます。

目的となる財産、その価額、譲渡人の氏名・名称を記載します。

・発起人の報酬・特別利益

発起人が会社設立にあたって、実施した労務に対する報酬などについて定めます。

・設立費用

定款の認証手数料・印紙税、設立登記のための登録免許税など、定款の記載がなくても当然に成立後の会社の負担とされているものを除き、発起人は、定款に記載した金額の限度で設立後の会社に請求できます。

任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款に記載しなくてもその効力が否定されるわけではありませんが、会社法の規定や公序良俗に反しない限りは、定款に盛り込むことができる事項です。定款に定めた以上は、その内容を変更するには、定款変更手続きが必要となります。

・定時株主総会の招集時期

決算から一定時期のうちに定時株主総会を開く必要があり、その時期を記載します。

・取締役など役員の数

取締役会を設置している場合は、取締役3人以上について記載します。取締役会を設置していない場合は、1人以上の取締役について記載します。氏名は必要ありません。

・事業年度

事業年度の期間について記載します。